相続した不動産の売却で譲渡所得税はどうなる?計算や節税のポイントも解説

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代表取締役 高林 孝次

筆者 代表取締役 高林 孝次

不動産キャリア6年

不動産を相続した際、「できるだけ損をせずに売却したい」と考える方は多いのではないでしょうか。しかし、売却にはさまざまな税金がかかり、制度も複雑です。特に相続不動産の譲渡所得税や控除の特例は、理解していないと余分な負担をしてしまうこともあります。この記事では、不動産を相続して売却を予定している方に向けて、必要な税金や特例制度を分かりやすくご説明します。複雑な計算や用語も丁寧に解説しますので、安心してご参考ください。



相続した不動産を売却する際に必要となる税金の基本

相続した不動産を売るときには、いくつかの税金や手続きが関わります。まず主にかかるのは「譲渡所得税」です。これは売却した金額から、不動産を取得したときの費用(取得費)や売るためにかかった費用(譲渡費用)を差し引いた利益に課税されます。

被相続人が不動産を取得した際の価格がわからない場合、「取得費が売却価格の5%とみなされる」という「5%ルール」が用いられます。しかしこれは実際の取得費に比べて著しく低額になることが多く、その結果、譲渡所得が大きくなり税負担が重くなる傾向があります。可能な限り実際の取得費を証明することが望ましいです。5%ルールはあくまで取得費が不明な場合の最低限の救済にすぎません。

また、不動産の相続登記にかかる「登録免許税」は、固定資産税評価額の0.4%で計算されます。売買などの場合の税率2%に比べて低く設定されていますが、確定申告上では必要経費として算入できる税目でもあります。

税金の種類課税対象と割合ポイント
譲渡所得税売却価格 − (取得費+譲渡費用)取得費不明なら5%ルールが適用されるが税負担増の可能性あり
登録免許税固定資産税評価額 × 0.4%相続登記に必要。手続き費用として必要経費にできる

このように、相続不動産を売却するときには、譲渡所得税と登録免許税が中心となります。所得税の課税対象となる利益を抑えるためには、取得費の証明が非常に重要ですし、相続登記の際の税金も見落とせない要素です。

譲渡所得税の計算方法と税率区分

相続した不動産の譲渡所得税は、以下の計算式で求められます。「譲渡所得=収入金額 − 取得費 − 譲渡費用 − 特別控除額」です。ここで「取得費」は被相続人が生前に支払った代金や手数料、建物なら減価償却後の金額を引き継ぎます。取得費が不明な場合は譲渡価格の5%を概算取得費として用いることも可能です。

譲渡費用には売却のために必要だった仲介手数料、測量費、契約書の印紙代などが含まれます。加えて、特別控除額には、例えば居住用財産の譲渡に使える「3000万円の特別控除」など、要件を満たせば適用できる制度があります。

所有期間に応じて税率が変わります。売却時点で1月1日現在の所有期間が5年以下なら「短期譲渡所得」、5年超なら「長期譲渡所得」となります。税率は以下のとおりです:

区分所得税+復興特別所得税+住民税
短期譲渡所得(所有期間5年以内)約39.63%
長期譲渡所得(所有期間5年超)約20.315%

この数値は、短期譲渡所得で約39.63%(所得税30.63%+住民税9%)、長期譲渡所得で約20.315%(所得税15.315%+住民税5%)になることを示しています。

なお、所有期間の計算には相続後の期間ではなく、被相続人が取得した時点からの期間を引き継ぎます。たとえ相続してから5年以内であっても、被相続人の取得期間が5年を超えていれば、長期譲渡所得の税率が適用されます。

このように、譲渡所得の計算方法と税率区分を正確に理解することは、税負担を軽減するうえで非常に重要です。所有期間や取得費の扱いに特に注意して売却計画を立てることをおすすめします。

活用できる特例と控除制度の概要

相続した不動産を売却する際、税負担を軽減できる代表的な特例として、次の制度があります。それぞれ適用条件が異なり、使える制度を理解することが大切です。

制度名 内容 適用期限・注意点
相続税の取得費加算の特例 相続税の一部を譲渡所得の計算上、取得費に加算でき、譲渡所得を減らせる 相続税申告期限の翌日から起算して3年10か月以内の売却が必要
空き家に関する3,000万円特別控除 被相続人が一人で居住していた家屋・敷地を売却する場合に、譲渡所得から最大3,000万円控除できる 特例との重複適用はできない。売却時期など要件に注意
その他居住用財産に関する特例 小規模宅地等の特例や長期譲渡所得の軽減税率などがあり、譲渡所得をさらに軽減可能 それぞれ対象要件や併用の可否が異なるため、慎重な検討が必要

以下、制度ごとにさらに詳しく説明いたします。

1.相続税の取得費加算の特例
この特例では、相続税を支払った場合に、その相続税の一部を取得費に加算できます。その結果、譲渡所得が圧縮され、税負担が軽くなります。法令上、相続開始日(被相続人の死亡日)の翌日から相続税の申告期限(通常相続開始から10か月以内)の翌日以後、3年を経過する日までの譲渡が条件となります(実務上は3年10か月以内とされることもあります)。

2.空き家に関する3,000万円特別控除
被相続人が住んでいた住宅を相続し、その空き家を一定期間内に売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度です。長期譲渡所得として扱われるケースが多く、大きな節税効果があります。ただし、先の取得費加算の特例と重複して利用することはできませんので、有利な制度を選ぶ必要があります。

3.その他、居住用財産に関する特例
相続した不動産が居住用の場合には、「小規模宅地等の特例」により評価額が大きく減額されたり、長期譲渡所得に対する軽減税率が適用されることがあるなど、追加の節税手段があります。 ただし、各特例には詳細な要件や併用可否があるため、事前の確認が重要です。

いずれの制度も、適用には確定申告が必要であり、適用漏れがないよう、早めに税理士へご相談いただくことをおすすめいたします。それぞれの制度を正しく理解し、最適な方法を選ぶことで、税負担をしっかり抑えることが可能です。

西船橋・船橋で相続した不動産を売却する方にむけた注意点

西船橋・船橋で相続された不動産を売却する際には、地域特性や課税評価額などをふまえた注意が重要です。登記費用や測量費など譲渡費用に含めやすい費用は、正しく積み上げて譲渡所得の計算に活用しましょう。たとえば登記費用は所有権移転のために不可欠であり、測量費についても土地境界を明確にするために支出した場合は譲渡費用として計上できるケースが多くなります。

また、船橋市は千葉県内で基準宅地価格が高い地域であり、固定資産税の評価額が市場価格に近づく傾向があります。固定資産税評価額は市町村が「地価公示価格等を参考におよそ7割程度」で設定するため、相続時の取得費の算定にあたって参考にしやすく、概算法だけでなく評価額ベースでの算出を検討することが合理的です。

さらに、売却時期や所有期間の確認に基づく税負担のシミュレーションを必ず行ってください。譲渡所得税率は所有期間によって大きく変動し、5年を超えると「長期譲渡所得」となり、税率は約20%ほど。一方それ以下では「短期譲渡所得」として約39%となります。この違いは手取り額に大きく影響しますので、相続開始日や被相続人の所有期間を正確に把握し、時期調整の余地がある場合にはシミュレーションによって最適な売却タイミングを探ることが望ましいです。

項目主な内容注意点
譲渡費用登記費用、測量費、解体費など領収書や契約書で明確に記録して計上
固定資産税評価額市町村による評価(実勢価格の約70%)取得費の参考として活用可能
税率区分長期:5年超=約20%/短期:5年以下=約39%所有期間の把握が税額を左右

まとめ

相続による不動産の売却には、譲渡所得税やその他の税金、特例・控除に関する知識が欠かせません。長期・短期の税率や取得費、控除制度の活用方法など、どの項目も税負担を適正に抑える上で重要なポイントとなります。西船橋・船橋地域で不動産を売却される際には、地域特性や売却時期などにも注意が必要です。しっかりと準備を進めることで、不安のないスムーズな売却を実現しましょう。

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